身延線を富士から甲府まで乗ってみた〜普通列車で約3時間の乗り通し旅〜

観光

富士駅から甲府駅まで、身延線の普通列車で約3時間を費やします。
乗る前は「3時間はちょっと長いな」と思っていました。

ところが実際に乗ってみると、西富士宮を過ぎたあたりから
車窓の雰囲気が大きく変わります。

住宅街を抜け、山あいの景色へと変貌していきます。
気づくと、窓の外には富士川が見えていました。
ふと気がつけば、ほとんど窓の外を眺めたまま甲府まで来ていたのです。

ただし、身延線を富士から甲府まで乗り通すなら、ひとつ注意したいことがあります。
甲府まで直通する普通列車は、思っているほど多くありません。
私自身、実際に乗ってみて「これは先に乗る列車を決めておいたほうがいい」と感じました。

この記事では、富士駅から甲府駅まで身延線を乗り通した体験を紹介します。
所要時間や車窓、途中下車で気になる駅、乗る前に確認しておきたいことをまとめました。

身延線はどんな路線?富士と甲府を結ぶ88.4km

身延線は、静岡県の富士駅と山梨県の甲府駅を結ぶJR東海の路線です。
もともとは身延山への参詣客を運ぶために生まれました。

全線が電化されていて、富士〜富士宮間は複線ですが、その先は単線になります。
25パーミル(1000m進む間に25m上がる坂)の勾配と半径200mの急カーブが続きます。

路線の概要は次のとおりです。

区間富士〜甲府(88.4km・39駅)
全線所要2時間半〜3時間半
最高速度85km/h
開業1913年(富士身延鉄道)
1928年に全通
1941年に国有化

特に効いてくるのが最高速度85km/hという数字です。
急カーブが続くため、そもそも速度を上げられません。
山あいを縫うように線路が続くため、88.4kmという距離のわりには、
普通列車で全線を乗り通すとかなり時間がかかります。

身延線は、富士駅で東海道本線、甲府駅で中央本線に接続します。
東京方面からなら、行き方は2パターンです。

東京方面からの行き方身延線に乗る駅降りる駅
中央本線で甲府まで行く甲府駅富士駅
東海道本線で富士まで行く富士駅甲府駅


私は、富士駅から甲府駅へ向かうルートを選びました。

全線乗り通す際に注意すべきこと(運行本数に注意)

身延線を乗り通すときに、最初に確認しておきたいのが列車の発車時刻です。

富士駅から甲府方面へ向かう列車はありますが、
すべてが甲府まで行くわけではありません。
西富士宮行きなど、途中駅が終点になる列車もあります。

富士駅から甲府方面へ出る列車は平日44本です。
そのうち甲府まで直通するのは11本だけで、
23本は西富士宮止まりです。

富士駅を出る甲府行きの発車時刻は、次のとおりでした。

特に注意したいのが昼の時間帯です。
10時22分の次は12時22分で、間隔がまるまる2時間あきます。
身延線を途中下車しながら楽しみたい場合は、先に時刻表を確認しておいたほうが安心です。

西富士宮を過ぎると、列車の本数はさらに少なくなり、その落差を実感します。
たとえば沼久保駅(ぬまくぼえき)の甲府方面は1日18本で、
11時台と13時台は1本も来ません。

このため、時間帯によって次の列車までかなり待つことがあります。
私なら、途中下車する駅を決める前に
「次の列車は何時に来るのか」を確認してから予定を組みます。

富士川に沿って走る2時間半

身延線で車窓の景色が変わるのは、西富士宮を過ぎたあたりです。

富士駅から西富士宮駅の区間は住宅街が続きます。
西富士宮駅を過ぎたあたりから、市街地が山あいの景色へ変わり、
車窓の左手に富士川が見えてきます。

身延線が通るのは、全線にわたって富士川の東側です。
富士川は線路から見て西側を流れているので、
甲府行きに乗るなら進行方向の左側、逆に富士行きなら右側に富士川が見えます。

甲府行きの進行方向左手。色づいた稲の向こうを流れる富士川

富士川は、山形県の最上川、熊本県の球磨川と並ぶ日本三大急流のひとつとして知られています。
その流路の長さは約128kmあります。
(参照:日本三大急流!富士川 – 国土交通省 関東地方整備局 甲府河川国道事務所)

ところが、実際に列車から眺めてみると、私が見た富士川は意外なほど穏やかでした。
行った当時は天気に恵まれた日だったせいかもしれません。
「急流」という言葉から、もっと激しく水が流れている
イメージを持っていたからかもしれません。

もちろん、天候や水量によって見え方は変わると思います。
でも、こういう「実際に見てみたら想像と違った」
というのも、鉄道旅のおもしろさだと思います。

富士川に架かる橋と、対岸の集落

身延線から見える富士山

富士山は身延線からも拝み、楽しむことができます。

ただし、富士山が見えるのは、静岡側と山梨側で表情がまったく違います。
富士山の見える場所は次のとおりです。

富士宮〜富士(特に大きく見える場所)市街地の向こうに裾野まで広がった
ひと続きの富士山が
進行方向の右手に見える
西富士宮あたり線路が大きくカーブするため、
見える向きが左右に入れかわる
甲府盆地側御坂山地の向こうに、山頂だけがのぞく

天気が良ければ、富士から甲府までの旅の中で、
富士山と富士川の両方を楽しめるのが身延線の魅力です。

身延線の難読駅と途中下車するならどの駅?

身延線には、名前を読めない駅がいくつもあります。

代表格は内船(うつぶな)、波高島(はだかじま)、金手(かねんて)の3駅です。
どれも漢字から読みを想像しにくく、中部地方の難読駅名として知られています。
鰍沢口(かじかざわぐち)も、初見で読める人は少ないはずです。

波高島駅。「はだかじま」と読む

観光の玄関になるのは、次の2駅です。

身延駅日蓮宗の総本山・身延山久遠寺(くおんじ)の最寄り駅

駅から久遠寺へのバスがあり、所要時間は約12分
下部温泉駅(しもべおんせんえき)下部温泉への玄関口

日本の名湯百選

古くは湯治場として知られる温泉郷


身延駅。身延山久遠寺への最寄り駅

変わりゆく車窓〜身延駅から甲府駅

身延線全線ですが、車内は空いていました。

観光客らしい人もいましたが、地元の方のほうが多い印象です。

身延駅を過ぎてさらに甲府方面へ進むと、山あいの景色が続きます。
途中の小さな各駅に停まり、また発車することを繰り返しながら、
列車は少しずつ甲府盆地へ向かっていきます。

甲府側に入ると、景色はまた変わりました。
甲府盆地の住宅地の中を走り、善光寺・金手といった駅を過ぎると、
少しずつ甲府の市街地が見え始めます。

山あいを走っていた列車が、県庁所在地である甲府の街へ入っていく。
この景色の変化も、身延線を乗り通してみて面白かったところです。

身延線を乗り通す前に確認しておきたい5つのこと

ここまで実際に乗ってみた経験から、これから身延線を乗り通すなら、
事前に確認しておきたいことを5つにまとめます。

1.乗る列車を先に決めておく(一番大事)

富士から甲府まで乗り通すなら、最初に甲府行きの列車を確認しておきましょう。
途中駅止まりの列車もあるため、「身延線の列車ならどれでも甲府まで行ける」と
考えないほうが安心です。
特に途中下車をする場合は、降りた駅から次に甲府方面へ向かう列車が何時なのかも
確認しておきましょう。

2.きっぷの種類を確認する

富士〜甲府の片道運賃は1,690円(きっぷ・IC共通)です。
青春18きっぷの利用期間・利用条件に合う場合は、
身延線を普通列車で利用することもできます。

ただし、きっぷの発売条件や利用期間は変更されることがあるため、
旅行前に最新情報を確認してください。

3.車窓を楽しむなら座る方向を考える

甲府方面へ向かう場合、富士川は基本的に進行方向左側です。
富士山を狙うなら、静岡側の区間では右側が見やすい場所があります。
どちらを優先するかは悩むところです。

私の場合は車内が比較的空いていたため、
途中で席を移動しながら車窓を楽しむことができました。
混雑している場合は、周囲の乗客に配慮して
無理に席を移動しないようにしましょう。

4.ワンマン列車の乗り方を確認しておく

身延線では2両編成の列車がワンマン運転となっています。
車掌が乗務しない列車では、駅によって
乗車・降車時の扱いが異なる場合があります。
特に無人駅で降りる予定がある場合は、
乗車券やICカードの利用方法を事前に確認しておく
と安心です。

5.疲れたら特急「ふじかわ」を利用する方法もある

「普通列車で乗り通したい」という人には必要ありませんが、
身延線には特急「ふじかわ」も走っています。
普通列車の約3時間が少し長く感じる場合は、行きか帰りのどちらかだけ
特急を利用する方法もあります。

例えば、行きは普通列車でゆっくり進み、
帰りは特急「ふじかわ」で戻る形です。
同じ路線でも、違った楽しみ方ができます。

正直に言うと、3時間は疲れました。
それでも車窓が良かったせいか、時間はあっという間に過ぎた気がします。

まとめ

身延線を富士から甲府まで乗り通すために押さえておきたいのは、次の5つです。

  1. 全線88.4km・39駅を、2時間半から3時間半かけて走ります。
  2. 甲府まで直通する普通列車は1日11本のみで、昼は2時間あく時間帯があります。
  3. 車窓の主役は富士川で、甲府行きなら進行方向の左側がおすすめです。
  4. 運賃は片道1,690円で、期間によっては青春18きっぷも使えます。
  5. 普通列車2両編成はワンマン運転のため、無人駅での降り方を先に確認して
    おきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

※ 本記事の運行・運賃などの情報は2026年9月時点のものです。
お出かけ前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

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